コンサルタントコラム [#美容室経営]
いつもお読みいただきありがとうございます。
船井総合研究所 ライフイベント支援部の田崎です。
近頃、「美容室の倒産が急増している」と言うニュースがアップされました。
ニュースでの見解としては以下のようです。
「円安に伴う美容資材の価格上昇、人手不足、人件費・光熱費の高騰などに見舞われた。コスト転嫁のために美容業界では値上げが続くが、料金に見合った価値がないと判断されると顧客離れにも繋がり、技術力や接客力に加え、ブランディング力もますます問われるようになっている。」(TSRリサーチインサイトより)
確かに多くの美容室からコスト高による収益ダウンといった話はよく聞きます。
しかし、多くの美容室では客離れは起きていません。
本当の業績不振の原因は「人手不足」なのです。
美容師がいなければお客様がいても当然予約を受ける事が出来ずに業績不振に陥ります。
売上が上がらなければ家賃などの固定費は払えず、美容師への給料も上げる事が出来ないため、スタッフの不満が溜まり、退職者も多く出てしまいます。
利益が出なれば採用や育成に投資も出来ず、そのため新しい美容師も増えないため美容師は減る一方です。
「美容師が減れば売り上げも利益も減る」
これが今起きている美容室の倒産のスパイラルかと思います。
今必要な対策は美容師の確保!これ一本に尽きるでしょう。
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美容室は店舗数が多いため、美容師の争奪戦は熾烈になっています。
そのため、美容室は美容師に選ばれるための違いや決め手を持たないといけません。
その違いや決め手を考える事を私たちマーケティングの世界では「差別化」と言っています。
そしてこの「差別化」を船井総研では「差別化の8要素」と言ってルール化しています。
この8つの要素で違いを出すことで、美容師に選ばれるお店に変身させるのです。
<差別化の8要素>
①立地 … 立地の良さ
②規模 … 規模の大きさ
③ブランド力 … 知名度や個性
④メニュー力(商品力)… メニューの魅力(商品の品揃えの良さ)
*サービス業(小売業)
⑤販促力 … 見せ方や売り方のユニークさ
⑥接客力 … 接遇の親身さ
⑦価格力 … コスパの良さ
⑧固定客化力 … お客様との関係性の強さ
誤解してはいけないのが、この8つの要素すべてを強化するという意味ではありません。
8つすべてを強化することは理想的ではありますが、現状多くの美容室がこの8つの要素が弱点になっていると思います。
美容室が美容師争奪に一矢報いるためには、自店らしい要素をたった一つでもいいので決めて特化させる差別化要素を持つことです。
例えば私がよく美容室に向けてお話しする差別化ポイントは④メニュー力:「メニューの魅力」による差別化です。
ただそれはメニューを増やしたり、美容技術を磨いたりという意味ではありません。
美容師は就職先の美容室を見つける際に必ずと言っていいほどホームページを見ます。
特にそのページの「メニュー」を良く見る傾向があります。
様々なお店のメニューを見比べると、美容師の応募者が多い、人気のあるサロンのメニューは店舗ごとに得意な尖ったメニューを持っているものです。
例えば、
ショートカットに自信あり!
デザインカラーに自信あり!
韓国風ヘアに自信あり! などが挙げられます。
その得意なメニューが「個性」となって③ブランド力のアップにもつながっています。
この手法ならお金も時間もかからないため、実践しやすいです。
美容室経営者の中には「うちはどんなメニューも得意なので、あえてこれが得意は打ち出したくない」または「そのメニューだけが得意なのかと決めつけられたくない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、働く場所をネットで探している美容師からはどのように見えているでしょうか。
実は、美容師からは案外ネット上では「何でもできる美容室」は印象には残りにくく、決め手に欠ける美容室に見えています。
しかしながら、「特にこれがずば抜けて得意!」と言う得意な尖ったメニューを持っていると、ネットで美容師の目に止まりやすいですし、口コミの評価も高いようです。
そして何より特化した技術なら修業期間も短くて良いだろうし、すぐに活躍できそうと美容師は感じてくれるようです。
美容室経営者の中にはサロンに極端な特色を出したくないと思われる方も多いかと思います。
その場合はスタイリストごとに得意メニューを持つ見せ方をする事で解決します。
今の美容師は「自分の好きなメニューを早く習得して早く稼ぎたい」と願っていますからそれがモチベーションにつながります。
メニューに個性を出せない美容室は淘汰されて行くのでしょう。
美容室の採用のための差別化は
★スタイリストごとに得意な尖ったメニューを持つ
★得意な尖ったメニューは専門店として展開する
この2つが美容室の採用の差別化施策で大切な事なのかと思います。
今回は美容室が他社との差別化を図るための取り組みについてお伝えいたしました。
「人手不足」を解決するためには、美卒学生が目に留まるような他社の差別化された特徴を持っている必要があります。
・自社の強みが分からない
・すぐに人が辞めないような組織づくりをしたい
採用に対して新たに取り組みたいと思っている方は是非無料経営相談を活用しご相談下さい!
田﨑 昌美
ライフイベント支援部ライフイベントグループ
イベント特化型のきもの専門店を多数手がけ、地域一番店を次々と排出する。業界で良く知られている集客手法の多くは田崎が生み出したもの。
また子供写真ブームの創成期に、呉服店に「和装特化型子供写真館」を仕掛ける。大手も真似をした和装特化型の子供写真館の一大ブームの火付け役となる。
振袖においては「ママ振り」と言う流行語を生み出す。 現在はインターネットを使ったDMに頼らない集客法を開発している。 現在、多くの美容室が振袖レンタルを始めているがこれの仕掛け人もこの人である。
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